日本の農業を支えてくれる若者に農業の魅力を伝えたい

農家の高齢化について



農家の高齢化というのはずっと懸念されてきましたが、近年ではその懸念が現実化してきています。現在、日本には250万人近い農業就業者がいますが、そのうちの60%近くが、65歳以上のいわゆる高齢者と言われる世代の方達が占めているのが現状です。しかも平均年齢が68歳となっているので、多くの生産者の年齢は70歳近いということになります。対照的なのが、35歳未満の農業就業者の割合です。現在35歳未満の農業就業者は、5%にも満たない状況となっています。世界各国での農業従事者を年齢別で見てみると、その状況は特殊で、日本の農業従事者の年齢構成はかなりいびつな形となっています。

なぜ、そのような現状になってしまっているのか



世界から見ても、日本の農家の高齢化現象というのは特殊な状況です。なぜ、農家が高齢化となってしまっているのでしょうか?原因はずばり、若い世代の方達が農業を始めないことから来る後継者不足です。では、なぜ若い世代の方達は農業を始めようとしないのでしょうか?その原因としては、イメージや実際にかかる費用の問題などが挙げられることが多いようです。例えば、農業というとどうしても大変な仕事で、休みがなく働かないといけないというイメージを持っている人が多いということや、実際に農業を始めるには、農作物を育てる土地や、苗、肥料、農耕機器など、いろんなものを揃えなければいけないので、初期費用がかかってしまうということがあります。それに代々農業を営んでいなければ、なかなか新規で参入するというのは難しいと考えている人も多いようです。

農業を始めるにあたって感じる不安を解消することが重要



農業の高齢化の問題を解決する為には、若い世代の方達が、農業を自分も始めたいと思えるような環境づくりをすることが重要です。農業をしてみたい!と思っても、踏み出すにはリスクが高いと感じてしまうような状況では、なかなか今ある状況は変わりません。若い世代が農業を始めやすくなるように、例えば、初期投資の高さを解消することや、最近では市町村などが農業を始めたい方達に対して支援を行っていることも多いので、そういった情報を積極的に発信し、若い世代の方達にも広く知ってもらうなど、農業を始めやすくなる、農業に興味を持ってもらう環境づくりをしていくことが、現状を変えていく為には非常に重要になってくるはずです。