減少していく農繁期における労働力を確保できるしくみづくりが求められる

農繁期の人手不足


現在、人口の減少が続く中山間地域、生産の現場では、農業の繁忙期の人手不足の問題が深刻化してきています。もともと農業に従事していた方達の高齢化もあり、農繁期の人手不足を補う労働力を確保する必要がありますが、なかなか思うように進んでいません。新規での就農者も減少してきているので、もし現状が続くようであれば、今後、農業分野における労働力の確保はさらに困難になることが想定されます。

人手不足は農業にとっては切実な問題


例えばみかんを生産する場合、収穫までの期間に、何度か通常より多くの人手が必要になる時期があります。特に収穫期にはさらに多くの人手が必要となってくる為、その時期に合わせて臨時で労働力を確保しなければなりません。しかし、臨時の労働力を確保することは年々困難になってきています。収穫期に十分な労働力が確保されなければ、適期収穫を行うことも難しくなってしまいます。これは農業においては深刻な不安材料になります。

また、きゅうりを生産する場合にも収穫までの期間に人手を必要とする時期があり、きゅうりの場合、収穫期には収穫以外の作業も行わなくてはいけません。こうした、農繁期に労働力が不足してしまう状況は、経営に多大な影響を及ぼしかねません。
農業にとって、農繁期に労働力が確保できないということは切実な問題なのです。

流動的な労働力の確保


そのような状況は、現状を変えない限り、時が経過するごとに困難を極めていくことになります。それを回避する為には、どうしても今よりも労働力を増やしていく必要があります。労働力を増やす為には新規就農者を増やすことはもちろんですが、従来よりも幅広い意味で労働力を確保することも重要になってきます。ひとつの農作物を育てて行く間には、人手が少なくて済む時期と、人手が多く必要な時期とがあります。こうした状況に対応できるような流動的な労働力の確保すること、それが労働力を増やしていこうとする上で大きな意味を持つ可能性があります。
しかし、現在ではまだ流動的な労働力を確保できるような仕組みづくりが整っていません。流動的な労働力の確保の為には、まずは確保できるような十分な仕組みづくりを行うことが望まれています。