農林水産業就業者数の推移から急がれる後継者受け入れの環境整備

日本の農林水産業就業者数の減少



現在、第1次産業と呼ばれる農林水産業に就業している方の数は、年々減ってきています。その減り方は著しく、昭和35年の時点では全国に1340万人もいた農林水産業就業者は、平成22年には252万人となっており、その数は80%近く減少しています。農家戸数で見ても、昭和35年には606万戸だったにもかかわらず、平成22年には253万戸と、こちらも60%近く減少しています。
このような著しい減少の背景には、農林水産業就業者たちの高齢化や後継者不足などがあると言われています。

新規就農者の数は増加傾向にあるものの・・・



2008年頃から起きた「農業ブーム」以降、新規就農者の数に関しては、増加傾向にあります。雇用の受け皿という視点から農業が注目されるようになり、これまで農業とはあまり関わり合いがなかった方たちが新規で就農するケースも出てきました。

ただ残念なことに、新規就農者の数は増加傾向にあっても、全体の農林水産業就業者数で見てみると減少傾向は依然として続いています。減少し続ける就業者数は、ついに日本の人口の3%にも満たない数字になってしまっており、現在日本では、日本の人口の3%にも満たない農林水産業就業者が日本の食料の大半を支えているという状況になってしまっています。

さらなる新規就農者の確保と安心して後継できる環境づくりを



自分の子供に農業を継いでもらいたいと考えている農家の方たちもいらっしゃいますが、その反面、自分の子供に農業を継いでもらいたいとは思わない農家の方たちもいらっしゃるようです。その理由は農業では収入面が不安定になることが多いことや、休みが少なく労働時間が長いので、自分の子供にも同じ思いをさせることを躊躇してしまう方が少なくないようです。親世代だけではなく子世代も同じように考える傾向にあるようで、それにより農家の後継者が途絶えてしまい、農林水産業就業者の減少へと繋がっていることも原因としてあるようです。

農林水産業就業者数の減少を食い止めるには、新規の就農者の参入支援をさらに積極的に行っていくことと、これまで代々農業を営んできた方達の不安材料を取り除き、安心して後継できるような対策を取ることも必要となってきています。